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FF7リメイクで印象に残ったシーン④「伍番街スラムの教会」

伍番街スラムの教会

五番魔晄炉でのエアバスターとの戦いのあと、クラウドは真下の教会に落ちるわけですが落ちている途中にフィーラーに助けられます。フィーラーはFF7オリジナルでは存在せず、リメイクのみの登場人物?で、クラウドやエアリスがピンチの時や運命を誘う時に現れる、ハリーポッターのディメンターのようなやつです。

フィーラーについての適当な考察

フィーラーとはなんなのか?間違いなく意思を持っており、しかも大量に湧き出てきてクラウドたちを導いていく、このご都合主義的な動きからして製作陣の苦渋の選択であると思いました。リメイクを作るにあたって現実にあるようなミッドガルの世界が作り上げられ、過去のオリジナルそのまま踏襲すると不都合な点がいっぱい出てくる、その解決策がフィーラーなわけであります。

特に伍番街の教会のシーン、五番魔晄炉から落下してくるクラウドはフィーラーに助けられますが、オリジナルではリメイクほど高くないとは言え数十mの高さから落下して教会の屋根と花畑のクッションがあるとは言え無傷なのは奇跡に近い。そしてリメイクでは300mに変更されているのでこれはもうフィーラーのような存在が出てこないと説明がつかないわけです。

ワイヤーガンも長さが足りない、パラシュートだと教会には落ちない、というわけで選択肢はこれしかないのです。
フィーラーがいることで物語の流れを、オリジナルの構成を崩さずに再定義できる、なんとも便利な存在ということですね。

300mの高さから落下しても無事

300mの高さから落下しても無事

▲屋根を突き破る勢いで落下したクラウド。めちゃくちゃ背中痛かっただろうに。鍛え上げた肉体には影響がなかったよう。

この後もフィーラーが登場

▲なんの怪我もなく、この後タークスのレノとバトルとなりますが、そこでもレノにトドメを刺そうとするクラウドと一緒にいるエアリスをフィーラーが教会の奥へ連れ去っていきます。そうですねー。ストーリーをオリジナルから外さないための違和感の無い製作陣の都合ですねー。

追っ手となるレノにトドメを刺すチャンスな訳です。相手は追っ手のくせになぜか数名の兵士と行動しています。普通、居場所がわかっていて本気で捕まえるとするなら少なくとも数十名、神羅カンパニーの規模を考えると数百名で教会を取り囲めばいいわけです。たった2人で組織だった数百名の部隊に勝てるわけがありません。少数対少数出ないと成り立たないのです。で、その少数バトルに勝ったのだから普通はトドメを刺すだろう、至極真っ当なことです。

が、それをさせてしまうともちろん後々のレノの登場シーンや、教会の屋根あら脱出するという辻褄が合わなくなるわけで、そこでフィーラーが登場し、クラウドとエアリスを奥の部屋に逃し、少数でも追ってくるタークスを足止めする、という理由付けが行われるわけであります。実にご都合主義では無いですかー。
こんなご都合主義、小説や映画であればなんじゃそれ、と白けるところですがこれはゲームでしかもオリジナルのストーリーがあるため、まあ一応の納得感はあります。そうなるでしょうねと。

高さ300mのプレートに覆われたスラム

高さ300mのプレート

▲スラムから目線を上にあげればスラムを覆うプレートが目に入ります。オリジナルではここまでスラムとプレートを意識することはなかったですが、リメイクでは常に上空を覆うプレートはこのスラムの生活が虐げられた人々の現実の生活であるように思えます。神羅カンパニーもアバランチのような組織を生まないために全員プレートの上に済ませれば良いのにと思ってします。だけど描かれてはいないですがきっと神羅カンパニー関係者しか上には住めず、下のスラムの住人に対する差別のようなものもありそうです。一部スラムに住んでいる神羅社員もいるようですが、下っ端の下っ端はスラム住まいとかなんでしょうねー。お金が貯まるまでとか。

きっと住まいや学歴による差別があり、スラムの人々は長年に渡って不満が溜まり続け、反神羅精神が魔晄憎しという精神に繋がっていくのでしょう。バレットやジェシーは特別な理由がありアバランチとして活動していますが大方のアバランチメンバーはこのような理由で参加しているのでは無いでしょうかね。
星を救うための必要な犠牲、自分の行いが良いことだと思い込んでいる犯罪者ほど怖いものはないです。

爆破という方法ではなく、神羅カンパニーそのものを終わらせるためプレジデントと幹部を暗殺する、という方が現実的な気がします。実際暗殺も計画されたり実行して失敗したのかもしれませんが。

スラムの壁の向こう

スラムの壁の向こう

▲エアリスと再会する教会、教会からスラムへ行く道、どちらも印象的ですがこのスラムの壁を望むシーンがこの中で一番印象に残っています。
壁を眺めながら外に出ることも考えたというエアリス、壁の外からミッドガルにやってきたクラウド。リメイクでは外の世界が描かれていませんが、次回作が非常に楽しみに思える瞬間でした。

ミッドガルだけでこれだけの作り込みとスケール、ハードルはどんどん高まってしまいますがミッドガルの外の世界も期待せずに入られません。
そんな外に出てみたいという思いはスラム育ちのエアリスと一緒なんだろうな、と勝手に同調して想像したわけです。一生スラムの中でプレートの下で生きるなんてなかなか嫌なものです。プレートの上とスラムは電車で行き来できるのでミッドガル内部では比較的自由は保証されているようですが。

外はきっと手強いモンスターだらけで逆にミッドガル内部のスラムも含めた人々を守る壁になっているのでしょう。ウータイとの戦争という話もリメイクでは頻繁に使われることから壁の重要性は十分感じられます。

スラムの人々の中でも壁の外に出たいと思うのは一部の人なのでしょうね。調査兵団みたく。エアリスのようにスラムの生活や人々が悪くなく気に入っているケースも多そう。確かにどこも活気があって生活していく上ではストレスも少なそうで楽しそうです。